宿泊予約状況表グラフ:表やグラフの構成(全体像)と見るべきポイント
シート構成の全体像にて紹介した「オレンジ色シート:宿泊予約状況表グラフ」の読み方についての説明です。実績振り返り時のヒントになる「かもしれない」特殊なグラフがあります(上級編)と書きました。
予約状況を追う日々のレベニューマネジメントの中では、あまりピンとこない表やグラフかもしれません、一方で、月が終わって振り返りを行う際には必ずチェックしていただきたい表・グラフがあります。
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「宿泊予約状況表グラフ」シートの全体像 日別の状況が前年対比で並んでいますが宿泊予約状況表シートとは何が違うのか... |
※2025年1月の成果を振り返るため、2024年1月と比較しています。
宿泊予約状況表グラフシートはこのような構成になっています
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「宿泊予約状況表グラフ」シートの構成 前年日別(赤文字)、本年日別(青文字)の表が上下2段になっています。 上段は日付順に並んでいますが下段は売上ランキングになっていることが特徴です。 グラフは3種。一番下の「売上ランキング順累計(前年比較)」が重要です。 |
①結果振り返り時は「前年着地日付時点」「日付を合わせて並べる」で表示
宿泊予約状況表シートと同様、グラフシートも表示設定の変更で内容が更新される仕組みになっています。振り返りの際は、当年も前年も「月末~月初」売上で比較したいので、前年の表示を「前年着地日付時点」「日付を合わせて並べる」にあらかじめ変更をお願いします。変更は宿泊予約状況表シートで行います。変更箇所は「宿泊予約状況表3:表やグラフの構成(全体像)」を参考にしてください。
②表Aと表Bは日次売上累計、当年と前年の累計比較ができるのがグラフ(上段)です ⇒ 期間キャンペーンなどの効果が見えます
③中段グラフは「宿泊予約状況表」シートと同じ日別売上グラフです
既に紹介済みのグラフのため、ここでの説明は割愛します。このグラフは「結果の振り返り」よりも日々のレベニューマネジメント(宿泊予約状況表シート)の中で効果を発揮するものです。
④【実は重要!】下段の表C表Dが、振り返りで一番着目すべき「当年と前年同月の売上ランキング」です(グラフは下段のもの)
表C(前年)表D(当年)とも「売上の多い日」から順に上から並べて表示されています。旅行業者別売上などをランキングにしたものはよくありますが、日別売上をランキング表示したものは珍しいかもしれません。これには旅館(やリゾートホテル)のレベニューマネジメントならではの理由があります。それは「繁忙日と閑散日の差が非常に大きいから」です。
上図内容は「予約の動きをサトルくん」ダウンロードページから取得できるサンプルデータでも詳しく確認することができますが、実際の旅館売上(の需要波動)を元に作成されたデータです。旅館の日別売上を売上順に並べると、上位は必ず休前日、下位は平日がまとまります。そして最上位と最下位の単日売上の差は数倍~10倍程度になることもあります。
※サンプルは1月ということで単価の非常に高い正月休みが正月明け平日の10倍程度、月間売上構成比も休前日合計だけで50%超えになっています。
「そんなに差があるんなら、売上の少ない日でチマチマ増収狙うより売上の多い日でドカーンと増収狙った方がいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが...
それ、どちらもやらないと前年売上すら超えられないかもしれません という話なのです。
「売上の多い日」だけでの勝負では勝負する球数が少なすぎます(日数が少ない)。そしてそういう日の稼働率は当然のように100%になってそれ以上売れないので伸びしろも少ない(部屋数以外で伸ばすしかない:一室人数と宿泊単価)。
一方で「売上の少ない日」は、需要が低調なので少しでも間口を広げて数に繋げる必要がある。一方で、部屋だけは余るほどあるので伸びしろという意味では十分。日数も多い。
なので、高需要日の施策、低需要日の施策、両方できたのか?を確認していただきたいのがこの表と下段のグラフなのです。
グラフは売上上位日から下位日へと累計しながら左から右へと表示しています。前年は黒、当年は赤で表示し比較できるようになっています。
当年グラフが左軸側で大きく勝っているようであれば高需要日の施策効果、右軸側で勝てているようであれば低需要日の施策積み上げ効果と読み取ることができます。
例えば...
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上記例の1月結果です(赤:本年売上ランキング累計、黒:昨年ランキング累計)。 ランキング上位の三が日は、正確には前年よりも勝っているのですが大きく差を開けるほどではありません。最繁忙日だけで大きく勝つのが難しいことがよくわかります。 一方で、グラフは右へゆくほど差が開いています。売上の低い日の施策成果も、積み上がると大きな結果につながる良い例です。 |
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逆に、弱い日の積み上げが不足しているとこの様なケースも...。 大きく負けている日が無いように見えて、弱い日の小さな負けが積み重なるパターンです。 |
この様に、日々のレベニューマネジメントの中で常時参照する様なシートでは無いですが、結果を振り返り課題を見つけるために活用できるのがこの「宿泊予約状況表グラフ」のシートなのです。
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