宿泊予約状況表1:ブッキングペースグラフ
シート構成の全体像にて紹介した「水色シート:宿泊予約状況表」の読み方についての説明です。初回はブッキングペースグラフについてです。※表示している売上は、大型旅館のイメージでサンプル用に加工したものです。
予約売上増加ペース(ブッキングペース)グラフです。上図では2025年3月の宿泊予約売上合計の変化を2024年3月のものと比較表示しています(最新情報2025年2月1日時点)。
横軸は予約集計時点の日付(が月末日に対して何日前か)を表しています。「着地」とは月間売上が確定した時点のことを示します(翌月初4月1日時点)。「30日前」付近が3月 月初時点、「60日前」付近が前月(2月)の月初時点ということです。
縦軸は宿泊予約売上(千円単位)です。
赤の折れ線グラフが今年の売上増加ペース、黒の破線が前年同月のペースです。右端にあるオレンジの●印は、事前に設定している売上予算です。月初時点より右については、利用日が過ぎて確定した売上+残りの日の予約売上がグラフになっています。確定した日はそれ以上売上が伸びることがないため、30日前付近から右は山が緩やかになります。
上図グラフからは、以下の状況が読み取れます。
①今年の予約ペースは去年のペースより良い。前月の月初時点で1435万円のアドバンテージがある(4969万円ー3534万円)。
②この時点ではまだ前年同月実績にも予算にも届いていない。ただし、このアドバンテージを維持できれば両方超えることは確実。
③80日前時点(正月休み明け頃)までは、前年ペースとあまり変わらなかったが、その後一気にペースアップした。
同時に、以下の様な心配もしつつ次へ進んでください。
④アドバンテージの内容は何か?アドバンテージを維持したまま更に売上を伸ばしてゆく余地はあるのか。
例えばアドバンテージの要因が、休前日(土曜日)の予約が去年よりも先行して入ってきているだけかもしれません。となると、休前日はすでに稼働率に余裕が無く(売る部屋がなくて)、これ以上売上を伸ばせないかもしれません。前年はこの後に休前日予約が入ってくるのだとすれば、前年のペースに追いつかれてしまうということも考えられます。
特定の大きな予約が要因かもしれません(特定日や数日の売上で大勝ちしているパターン)。この場合、そのラッキー日「以外」の売れ行きがどうなのかが大事です。小さな勝ちが積み上がっているようなら良いですが、そうでないならラッキーパンチに救われているだけなので良い状況ではありません(団体予約は営業の賜物なので、それをラッキーパンチと呼んでしまうのは良くないですが)。
上図グラフは前年ペースよりも勝っている例ですが、もちろん負けている場合もあります。その場合も考えることは同じで「ビハインドの内容は何か?今後逆転できるためにできることは何か?」といった流れになります。
宿泊予約状況表シートにあるブッキングペース(月)グラフは、予約の状況を前年との比較でざっくりと掴み次を考えるきっかけを作るものと考えれば良いと思います。
ただ「予約状況登録シートで最初に登録するもの」のページで書いた通り、本システム利用初年度は前年のブッキングペースを表示するためのデータがない状況です。このグラフが本領ほ発揮するのは利用2年目に入ってからということですね。
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