宿泊予約状況表3:表やグラフの構成(全体像)と「見る順番」
シート構成の全体像にて紹介した「水色シート:宿泊予約状況表」の読み方についての説明です。3回目はこのシートの全体構成についてまとめます。
非常に情報量の多いシートですが「構成」と「見る順番」を知ることで、素早く、必要に応じて深くまで予約状況を分析することができます。
![]() |
情報量の多い「宿泊予約状況表」 細かなところから見始めてしまうとすぐに迷子になってしまいますが... |
宿泊予約状況表シートはこのような構成になっています
表がたくさんありますが、ベースとなるのは「表A:前年の日別状況」と「表B:当年の日別状況」です。これらをもとに、「前年に対する勝ち負け分析(右方向)」や「週別・曜日別・休平日区分別の分析(下方向から右方向へ)」といった分析用の表が配置されています。
最下部には、既に紹介した「ブッキングペース」「日別売上」の2グラフが配置されています。
この表は、動きます!
大きな特徴は、ベースとなる表A・表Bの内容を、時点日付(上図内①②)を選択切り替えして即時更新できることです。時点日付を切り替えると、表AB以外の全ての分析表と日別売上グラフの内容も同時に更新されます。※ブッキングペースグラフの内容は変わりません(日付を変えてもペースが変わるわけではないからです)。
前年・当年の時点日付を最新のもの(最終記録日のもの)に戻したい場合は、右上にある「最新を表示」ボタンをクリックします。
※DBシートの直接メンテナンスで、時点日付を変更した場合は一時的に表ABが空っぽになってしまうことがありますが、その様な場合でも「最新を表示」ボタンクリックで解消されます。
また、日別売上グラフの説明ページにて記載しましたが、年末年始、GW、お盆休み期間など、曜日で比較するよりも日付を合わせて前年比較したい場合には「曜日で合わせて並べる」から「日付を合わせて並べる」に変更(上図内③)することで表Aの内容を即時更新することができます。
宿泊予約状況表を見る順番は大から小へ
見る順番として、日別の細かな情報からスタートすることはおすすめしません。分析は大まかなところから始め、必要に応じて細かく見てゆくことが基本です。日常的なレベニューマネジメントにおいては次の順番が良いでしょう。
①ブッキングペースグラフ
まずは現在の予約ペースが前年より良いのか悪いのか、月末の着地見込がどうなりそうかをビジュアルで捉えます。分析例はブッキングペースグラフの説明ページを御覧ください。②表B(当年指定月の表)の合計欄
ついで「現在の月間予約売上(オンハンド売上)がいくらなのか」「前年同月実績まで残りいくらなのか」「設定予算まで残りいくらなのか」といった具体的な数字を確認します。![]() |
月間オンハンド売上の前年実績比較・予算比較 表A・Bの合計欄を比較します。 |
前年の時点日付指定にご注意ください。前年実績(着地)に対してどのくらい進捗しているのかを見たい場合には前年の時点日付を翌月初(着地)にする必要があります。
表B下部枠外には、前年月初~月末売上に対する進捗比率、設定予算に対する進捗比率が表示されます。
③日別売上グラフ
現時点での月間売上の良し悪しがわかったら、次は日別の良し悪しを捉える作業に入ります。月間予約売上が前年ペースより良いと思っていても、実は特定日の大型団体売上が良いだけでその他の日は全体的に良くないのかもしれませんし、月の前半の先行予約は良いけど後半はダメといったこともありえます。そういった日別傾向分析の入口となるのがこの「日別売上グラフ」です。分析例は日別売上グラフの説明ページを御覧ください。前年を「同時期時点日付」で表示させたパターンと、「着地時点」で表示させたパターンの両方で解説をしています。
このグラフを使った分析のポイントは、レベニューマネジメントの対象日について"あたり"をつけることです。前年同時期時点に対して大きく負けている日、前年着地に対して既に勝っている日...と着目してゆくと、対象日は数日に絞られると思います。
④日別予約状況表(表B)と勝ち負け分析表
日別売上グラフにてあたりを付けた日について、表Bで具体的な状況を確認してゆきます。前年同週同曜日に対して具体的にいくら負けているのか、負けている要因は何か(勝ち負け分析表:◎◯▲×の表)、稼働率で負けているのか、ADR(客室単価)で負けているのか、ADRで負けているなら要因は宿泊単価なのか一室あたり人数なのか、一室あたり人数が負けているならば前年は団体が入っていたのではないか、だとしたらこれから個人集客で勝つためには何をすればよいか...と考えを深めてゆきます。分析事例は追って紹介したいと思います。
⑤大きなキャンセルが出てる?は一番右側で確認できます
予約売上が芳しくない理由として大きなキャンセルが出ている場合もあります。キャンセル発生については「日別の簡易ブッキングペース」や「一つ前の時点予約からの売上増減%」欄を見ると読み取ることができます。日別の簡易ブッキングペース:金額表示のない簡易的な表示ですが、伸びていたグラフが落ち込んでいる様な箇所があればそれはキャンセルを表します。
※Ver.1.1.0で追加:日別簡易ブッキングペースを任意の日付行でクリックすると、ダイアログが表示され、その日付の詳細なブッキングペースが表示できる様になりました。
例えば、前年の時点日付を同時期で表示し、◎◯▲×の表が前年同曜日に対して×で表示されている日(同タイミングで比較して極端に売上の少ない日)について、詳細なブッキングペースを表示させることで、要因分析に繋がります。
![]() |
宿泊予約状況表から日別ブッキングペースの表示① 日別の簡易ブッキングペースをクリックすると... |
![]() |
ダイアログが表示され、①~③のボタンクリックにより... |
![]() |
宿泊予約状況表から日別ブッキングペースの表示③ 特定日の予約ペースを分析できるシートが自動で表示されます。 |
一つ前の時点予約からの売上増減%:本年日別の予約状況(表B)について、現在選択している時点日付の売上 ÷ 一つ前の時点日付の売上を日ごとに比率で表しています。100%を割っていればキャンセルがあったことを表します。また、120%を超えていれば緑の網掛け、80%を下回っていれば赤の網掛けが自動で付きますので、大きく変化した日はどこ?という探し方もできます。
その他の分析表は時間のある時の傾向分析用です
週ごとの集計表、曜日ごとの集計表、休平日区分ごとの集計表などは、日常的にチェックするものでもないでしょう。レベニューマネジメントは日毎の需要変化に応じたコントロールなので、中途半端にまとまった集計値を見たところで施策には繋がりにくいからです。
これらの欄は、例えば月が終わっての振り返り時などで眺めてみることをおすすめします。
例えば...
「露付のAタイプは高稼働なのにBタイプは稼働が上がらない」「露付Bタイプは休前日(土曜)稼働は悪くないが平日稼働が悪い」「露付Bタイプの平日料金に課題があるかもしれない」といった気づきにつながる可能性があります。
0 件のコメント:
コメントを投稿